誰得ほんやくブログ

辞書をパラパラして決めたキーワードで検索した英文記事をひたすら翻訳してみるブログ

シュワルツェネッガーとかリーアム・ニーソンとかレゴとか

例えばタイなんかでは映画1本見て750円くらいなので、出張中に時間がとれるときはできるだけ映画館に行くようにしています。今回見たのは3本。

1日目:『サボタージュ(原題)』
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アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』をなぞっているという触れ込みで、アーノルド・シュワルツェネッガー主演、監督が『エンド・オブ・ウォッチ』の人だっていうからけっこう期待して行きました。サスペンスフルな設定+シュワルツェネッガーのアクション+DEAのハードな捜査ものって聞いただけでアガるじゃんって。
ところが、これは大失敗でした。つまらない。サスペンスも何もない。ただグロい描写が延々と続くだけ。ゲッソリして映画館を出ました。ゴア表現そのものは割と平気だけど、なんというか、お話がつまらないのに絵だけショッキングなのを見せられても、それは乗れません。
Rotten Tomatoesでは22%の低評価。こういう批評サイトは鑑賞前に見ないようにしていたのだけれど、やっぱり見る映画を決めるときはそれなりに参考にしたほうがいいのかな。
ところでシュワルツェネッガーターミネーターのリブート版に出るのだとか。どういう役柄なんだろ?ターミネーターも老化するって話?

2日目:『ノンストップ(原題)』
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リーアム・ニーソンの旅客機内アクション。勝手に『96時間』シリーズの続きかと思い込んでいたら、まったく別の設定でした。監督は『アンノウン』のジャウム・コレット=セラっていう人。
リーアム・ニーソンが演じるのは航空保安官。ロンドン行きの飛行機内で勤務中、リーアム・ニーソンの携帯に誰かからメッセージが送られてくる。「1.5億万ドルを指定した銀行口座に振り込め。振り込まないと20分ごとに人を殺す」と。犯人は乗客の中にいるらしいのだが、特定ができない。そして20分後、実際に人が死んでしまう。追い込まれるリーアム・ニーソン。数少ない協力者とともに、危機を脱することはできるのか、という話。
リーアム・ニーソンの、誰を信用していいのか分からない感じとか、それでも徐々に乗客と協力関係ができていく様子とか、いろいろ言うけど最終的にはリーアム・ニーソンを信じるぜっていう乗組員とか。これはおもしろかった。Sabotageを見た後だったから余計にポジティブ方向に振れたのかもしれませんが。「リーアム・ニーソンもの」というジャンルの中でも好きな映画になりました。日本では9月公開。

3日目:『Lego(R)ムービー』
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エメットは工事現場で働くごく普通の若者。現場にできた穴の中で奇跡のパーツを見つけたことで、世界の救世主にされてしまう。だが、エメットはマニュアルなしでは何も作りだせない。おしごと大王が世界を征服する日が刻々と近づく中、エメットたちはどうやって世界を救うのか…。

最高。
ブロックなのにちゃんとアクションできているのが素直にすごい。バイクとか潜水艦とかスペースシップとかが組み上がっていく場面はアガりました。リーアム・ニーソンがおいしい役をやっているのだけれど、前日に『ノンストップ』のシリアスな演技を見ていたので、ふざけた声を出しているリーアム・ニーソンを想像して余計におかしく見られました。
チョイ役で登場するキャラクターがそれこそ幅広くって、「バットマン*1「スーパーマン」「グリーンランタン」「スターウォーズ」「ハリーポッター」「ロード・オブ・ザ・リング」など映画の登場人物から、リンカーン大統領・クレオパトラ・ミケランジェロなどまで。こういう人たちが同じスクリーンでドタバタするのは、ぜいたくな場面でした。マーベルのキャラクターが出なかったのは権利の関係でしょうか。
ポスターの"The story of a nobody who saved everybody"というのは、見終わってみると本当にそのとおり。スーパーヒーローにはなれなくても、実はなんでもない人が協力すれば世界は変えられるんだっていうメッセージは、すごく勇気を与えてくれます。あと、悪役の扱いについてのラストのひっくり返し方に救われました。あれは泣かされます。
子どもはもちろん楽しく見られるだろうし、全編に出てくる小ネタを知っている大人も楽しめる超良作です。吹き替え版でも見てみたいですね。



LEGO(R)ムービー』の監督コンビの1作目、『くもりときどきミートボール』はうちの子も夢中になって見てました。

こっちはまだ見てない『21ジャンプストリート』

*1:バットマンはメインキャラクターの一人ですが

問題:外国語が使えると、収入はどれくらい増えるでしょうか?

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前回の記事に続いてFreakonomicsから。
Is Learning a Foreign Language Worth It?というPodcastが配信されていて、おもしろく聞きました。「外国語学習は本当に意味(価値)があるか?」という問いに答える形で、外国語を学んでいる小学生や専門家のインタビューが流されます。

Podcast要旨

外国語を学ぶ小学生
Little Red School Houseという私立学校では、4歳から外国語学習が始まり、卒業まで続く。外国語を勉強すれば、将来どうなると思う?という質問に対して...
4年生A「大きな商談があって、相手が英語を話せないときに、ぼくが相手の言葉が話せれば、大儲けできる」
4年生B「大きくなったらパン屋さんになりたい。中国人とかフランス人が店に来たら、その人たちの言葉で話すの」
4年生C「例えばスペイン語を勉強すれば、20年後くらいにほかの国で大金持ちになれるかもしれない。みんながそうなれるわけじゃないけど」

脳への影響
「人は、母語を使っている時と外国語を使っている時とで、性格が変わります」と言うのはシカゴ大学のBoaz Keysar。

リスクついての実験
ゲームのルール:手持ちで1ドル紙幣が20枚あります。このお金を賭けてコイントスを20回します(1回1ドル)。裏が出れば負け。1ドル没収されます。表が出ればあなたの勝ち。自分の1ドルが返ってくる上に、さらに1.5ドルを手に入れられます。ただし、賭けに応じないという選択も可。英語でゲームをするグループとスペイン語でゲームをするグループ(ともに母語は英語)に分けて実験。

実験結果
スペイン語を使った学生グループの方が20%も多く賭けに応じた。
外国語を使っている時の方がよりリスクを取る傾向がある(ただし、そもそもこのゲームは、賭けに出た方が明らかにリターンが大きい)。

モラルについての実験
シチュエーション:バスの運転手が前方の5人の歩行者を轢き殺そうとしている。バスに乗っているあなたは、歩行者5人を救うために、バスの運転手を殺しますか?5人を救うために、1人を犠牲にしますか?
学生を英語グループとスペイン語グループ(ともに母語は英語)に分けて質問し、回答をまとめる。

結果
バス運転手を殺すと答えた人は、外国語を使ったグループの方が、母語を使ったグループより2倍多かった。

最初の実験から言えることは、外国語で考るときの方が自分の選択についてより深く考える傾向が出ること。
2番目の実験でわかるのは、外国語の方が感情への訴えが小さいことだ。例えば英語の「love」とフランス語の「amour」は、その意味するものは同じだが、英語を母語にする人にとってより多くを受け取ることができるのは明らかに「love」の方だ。

人は、考える・情報の処理をする・決断をするそれぞれの場面で、言語の影響を受けることは間違いなさそうだ。つまり、外国語の学習は脳に変化を与える。これが外国語学習をするメリットだ。実際、2ヶ国語を話せる人は記憶力がよく、ものごとを実行に移す能力も高い。また、外国語を習得することでアルツハイマー病の発症を遅らせることができるという報告もある。それに、より多くの人とコミュニケーションができるというのは、前述の4年生が言うとおりだ。

コストパフォーマンス
MITのAlbert Saizは、大卒社会人9000名を追跡調査し、外国語の習得が収入に与える影響を調べた。
残念ながら、外国語を習得しても、収入は平均2%しか増えない。年収が3万ドルの人であれば、600ドル増える程度の話だ*1
中学高校での外国語学習にかかる時間とコストは相当なものになる。費用対効果で考えると、外国語学習はまさに時間の無駄だ。外国語に掛かる時間を使って、もっと別の、もっと有用なものを学ぶという選択肢があってもいい。

ただし、これはあくまでも母語が英語のアメリカ人の話だ。母語が英語以外の国や地域では事情が異なる。
例えばトルコ・ロシア・イスラエルで英語を使える人の収入を調査したところ、それ以外の人に比べて実に10~20%も高いという結果が出た。
英語で開かれる世界は仕事だけではない。本や新聞を英語で読む・英語の映画を見る・英語を使って人と話すなど、英語によって広がる世界はとても広い。
英語が世界の共通語になった現在、アメリカで外国語学習の経済的リターンが低く、英語が外国語であるような国で英語習得の効果が高いという結果が出たのは当然だ。


雑記

高校時代、テストで点がとれるのは英語だけでした。だから、大学も英語で入試できるところを受け、たまたま受かった大学の英語学科に通いました。社会に出てからは、海外の取引先とやり取りをする仕事をしています。
あるとき、ドイツの取引先担当者との雑談中に、大学の専攻は何だったか、という話題になりました。ぼくが「英語です」と答えると、「はぁ?」という反応が返ってきました。別の国の人とも話しましたが、決まって「英語を専攻しておいて、なぜ今の仕事に就いたの?」という質問が来ます。会社で営業をやるのなら、経済学とかマーケティングを学ぶものではないの、と。

余計なお世話です。でも、ある意味ごもっとも。英語は別に英語学科で勉強しなくても身につけられます。実際、大学で英語学科に通ったから今のレベルになったかというと、それは疑問。別の学問を専攻したのに英語もバッチリできるという人も大勢知っています*2。まあ、今さら後悔なんかしてませんけどね。

ところで、Podcastを聴いていて、映画『ビフォア・サンライズ』の冒頭場面を思い出しました。ジュリー・デルピーイーサン・ホークに向かって「アメリカ人て、どうせ英語しかしゃべれないんでしょ」って言うところ。アメリカ人の無教養さを揶揄する描写だけど、外国語を話せなくても世界中で話が通じるっていうのは、やっぱりすごく大きなアドバンテージですね。

この記事で使った写真:Learn English and Your Career Will Take Off (CC BY-NC-SA 2.0)

*1:言語によってその程度が変わる。スペイン語習得者は最も小さく、1.5%だ。フランス語は2.7%、ドイツ語は4%

*2:専門分野に精通しつつ、英語もできる、というのがやっぱりカッコイイ

日本の家は使い捨て?

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通勤中、よくFreakonomicsPodcastを聴きます。こないだ日本の住宅事情の話をやっていたので、要旨を記事にしてみました。

日本の家はなぜ使い捨てなのか

Why Are Japanese Homes Disposable?

建築天国
日本の建設関連の雇用者数は、人口比でアメリカの2.1倍。人口あたりの建築士数はアメリカの3.8倍で、世界一多い。そして、一軒家の新築需要は他国ではありえないくらい巨大だ。20年も不況が続いているのに、そして、急激に人口が減少しているのに、なぜ日本では新築が多いのか。

寿命が短い家
新築が多いということはつまり、解体される家も多いということだ。日本にある家のうち、半数は築後38年以内に解体される(アメリカの場合はおよそ100年)。その主な理由は、家の資産価値の下落だ。日本では、家の資産価値はおよそ30年でゼロになる。なぜこれほど短い期間で価値が下がるのか。

新し物好きの日本人
日本人は新しいものが好きだ。伊勢神宮は日本で最も伝統的な神社だが、20年ごとに建て替えられる。日本人は、新しいものには穢れがない(古いものには穢れがある)というメンタリティを持っていると言える。

地震大国
日本は地震大国だ。これまでに何度も巨大地震に襲われ、家屋の倒壊を目の当たりにしてきた。よって、建築物は壊れやすいものだ、永遠に続く物などない、という諦観が日本人に定着した。
そして、耐震性基準の改訂。建築法に耐震性基準が取り入れられた後、1950年・1971年・1981年・2000年と改訂が繰り返された。それぞれ、福井地震、十勝沖地震、宮城沖地震阪神淡路大震災を受けてのことだ。新らしい基準が設けられると、それまでに建てられた家は危険だということになる。危険な建物は価値を失い、壊され、最新の耐震性能を持った家が建てられる。

マーケティング手法
ハウスメーカーは耐震性技術の高さを盛んに宣伝する。安心を売っているといえば聞こえがいいが、逆にいえば顧客に地震の恐怖を植え付けているようなものだ。結果、耐震性能に問題のない建物ですら危険だと信じ込む顧客が生まれる。

悪循環
日本には家の手入れをするインセンティブがない。20~30年で資産価値がゼロになり、自分が建てた家も、次に同じ場所に住む人に解体されることが明らかだからだ。メンテナンスをしないから、本来であればもっと長期に渡って住み続けられる家が、本当に20~30年で使えなくなってしまう。
ダメになった家を取り壊す→新築する→どうせ将来解体されるのだから、手入れをしない→短期間で家がダメになる→取り壊す...。この悪循環だ。

不況の原因にも
このように、家を実質的に使い捨てにするというやり方は、非常に無駄が大きい。アメリカやヨーロッパはもちろん、他のアジアの国でも、家は資産だという認識が一般的だ。メンテナンスをしっかりすれば、購入した額よりも高値で売れる。日本では、家を買っても、または新築しても、その価値は短期間でが下がる。建物が投資の対象にならないため、富の上に富を築くことができない。長く続く日本の不況には、もしかしたらこんなところに原因があったのかもしれない。


思ったこと

日本の住宅建築の事情が不況の一因かもしれないという話。逆にいうと「住宅を購入しても、将来高く売れるという期待があれば変に支出を切り詰めたりしない。だから消費が増えて景気の好転につながりやすい」ということでしょうか。確かにそうなのかもなーと思いますけど、家が長持ちするということは、新築工事が減るということ。建設業界の反対があれば、そう簡単に政策転換はできないよね。

なんて思っていたら、すでに長期優良住宅制度というのが2009年から施行されていたらしい。この会社のウェブサイトがすごく分かりやすい。消費財ではなく、資産としての家を建てましょうって、Podcastの議論にそのまま応答するような内容になっていて、感動すら覚えました。でも、状況はそう簡単に変わっていないのかもしれないですね。長期優良住宅制度の認定取得率って、どれくらいあるんだろう?


この記事で使った写真:paper houses (CC BY 2.0)

『300<スリーハンドレッド>帝国の進撃』見てきた

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3月8日。台北の板橋Mega CityにあるVie Show Cinemaで『300<スリーハンドレッド>帝国の進撃』を見てきました。IMAX 3Dで鑑賞。公開2日目の土曜日ということもあってか、劇場は大入りでした。


300: Rise of an Empire - Official Trailer 1 [HD ...

前作の『300<スリーハンドレッド>』は初めて見たザック・スナイダー映画で、スローモーション多用のアクションの見せ方が新鮮でした。今回はザック・スナイダーが製作・脚本にまわり、ノーム・ムーロという人が監督。どういう絵作りになるんだろうって思っていたけど、ちゃんと『300<スリーハンドレッド>』を見ている感があってよかった。ケレン味ってだいじ。

今回描かれるのはペルシアとギリシャ連合軍の海上戦で、戦闘シーンは全部で4回。最初の2回は、「ペルシア船はお腹が弱点」作戦と、「鬼さんこちら」作戦でギリシャがペルシアを退けます。無策でただ突進するペルシア軍がちょっと拍子抜けだったけれど、ケレン味たっぷりの描写に終始ニヤニヤしながら見ていました。3戦目は一転、ペルシアが反撃に出ます。カメさん(っていうか亀仙人)の攻撃がえげつなくて、おもわず「ひでぇ」って声が出てしまいました。最後の4戦目では、ギリシャの戦士が、残された数隻の船でペルシアの大群に戦いを挑みます。このあたりが『300<スリーハンドレッド>』っぽいって思ったり。

主役はサリバン・ステイプルトン演じるテミストクレス。ギリシャ連合群を率いる指揮官です。
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で、その主役を完全に食っていたのがエバ・グリーン演じるペルシアの女提督アルテミシア。強い。えげつない。エロい。
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神様(ゴッドキング)になったクセルクセスですら、アルテミシアをコントロールしきれない感じ。
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アルテミシアは実際に戦闘にも参加して、ギリシャの戦士をバタバタ倒していきます。最後まで強烈な存在感がありました。
中盤ではアルテミシアがテミストクレスを色仕掛けで懐柔しようとする場面も。セックスシーンになだれ込んだ後、テミストクレスのある言葉のせいでアルテミシアが怒り、途中で部屋から出ていってしまいます。「あれ、おしまいなの?」っていうテミストクレスの情けない姿に、劇場内から笑いが漏れました。「そっちから誘ってきたんですよね・・・」って言ってるみたいで。

Rotten Tomatoesを見てみると、批評家の評価はそれほど高くないようですね。前作のレベルに達していないとか、パッとしないテレビゲームみたいだとか。確かに前作のジェラルド・バトラーと比べてしまうと、サリバン・ステイプルトンは見劣りがします。でもテミストクレスは王様じゃないわけだし、いいバランスだったんでは。ただ、エバ・グリーンの怪演に助けられたっていうのはあるかも。
あ、全然違う話ですが、カメラのレンズに血が付着する演出は見ていて冷めました。『プライベート・ライアン』でやるならまだしも、これ、紀元前の話ですよね。カメラないですよね。

とはいえ、孤高のスパルタ人戦士は相変わらずカッコイイし、親子の熱い絆もアガるし、腹筋が割れたムキムキの男の裸は別にどうでもいいけど、「あーおもしろかった」という思いで劇場を出ました。IMAXで見られたのもよかった。

そうそう、ゴジラの新しい予告編が流れていました。こんどのゴジラ、でかいね。これはまた楽しみが増えました。

Godzilla - Official Main Trailer [HD] - YouTube

幼児に英語を学ばせる意味はないと思うんだけど。

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娘(5才)の友達に英語を勉強している子がいるらしく、その子の影響を受けてか、うちで英語のフレーズを口にだすことがある。「サンキュー」とか、「シーユー」とか。
たまに「シャラップ!」などと言うこともあって、娘の友達もどうやってそんな言葉を覚えるのか理解に苦しむのだけれど、まあ、それは置いておいて。

生まれてから5年間、日本語に囲まれて生きてきた娘。英語の「s」の発音がすんなりとできるわけではない。「si」を発音しようとすると、普通に言えば[shi」になるし、がんばると「se」になる。
知っている英語を言ってみたい娘は、お風呂に入って数を数えるとき、がんばって英語で数える。で、その当然の帰結が「ワン、トゥー、スリー、フォー、ファイブ、セックス・・・」

外国語は、ちゃんと母国語の構造が分かって、語彙が相当数増えてから学んだ方がいい。5才の段階で英語を学ばせる意味はないと思う。でも、発音の指導はちょっとするべきかな、と感じた次第。


この記事で使用した画像: SIX (CC BY-NC-SA 2.0)

ロボコップ見てきた

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ぼくのIMAX映画初体験は、『ロボコップ』(2014)でした。バンコクにて。IMAXのスクリーンて、でかいんですね。びっくりした。『ゼロ・グラビティ』もIMAXで見たかった。

オムニ・コープ社の治安維持ロボット兵器は、世界各国で実用化されているが、アメリカ国内ではロボット兵器の使用が法律で禁止されおり、導入されていない。ロボットを警官としてアメリカに「売り込む」には、国民の支持を取り付け、法律を改正する必要がある。そこで、人間とロボットを組み合わせたロボコップであれば国民の拒否反応も起きないのではないか、ロボコップで実績を作り、法律改正の足掛かりにしよう、ということになった。
重症を負った警官アレックスがその人間部分に選ばれ、家族の同意を経てロボコップになった。しかし、判断スピードでは機械に勝てないし、人間的な感情が邪魔をしてロボコップになりきれない。だから、よりロボットに近い状態で職務を遂行できるよう、さらに改造が加えられた。犯罪者リストがインストールされ、監視カメラのデータにリアルタイムでアクセスできるようになったロボコップは、驚異的な成果を上げる。だが、感情を持つことはないし、もはや家族を認識することもない。
そんなロボコップが、アレックスとして再び感情と家族を取り戻せるのか、っていうお話。

やっぱりロボコップだし、淀川長治さんがやっていたころの日曜洋画劇場を見るときの感じで見たらおもしろかった。ストーリーの方向性はオリジナルと違うけど、ロボコップの動作を制限するプログラムがあるなど、仕掛けはオリジナルをなぞっていたりします。クライマックスでロボコップがその制限プログラムに反してあることをするのだけれど、なぜそれができたかが「がんばったから」としか見えなかったのは気のせい?なにかひとつロジックがあればよかったのに。残念。

「こんなデザイン、ロボコップじゃねえ」とか、「バットマンとアイアンマン足して2で割っただけ」とかいう声があるようですが、オリジナルは27年前だし、今の時代っぽくアップデートされているということではよかったと思いました。動作するときのモーター音なんかに重厚感が出てた。

全体的な雰囲気としては、オリジナルにあった、あのディストピア感がもっとほしかったかなと思いました。デトロイトの街も別に普通っぽかったし。

ところでロボコップ オフィシャルサイトの宣伝文句。「半分人間、半分ロボット。最強の警官登場」「彼が犯罪捜査を面白くする」って、なんだかね*1
予告編も同じ方向性。ロボコップって、超強い警官が敵をやっつけてスカッとする!ってストレートな話じゃないんと思うんだけど。苦悩とか葛藤とかを前面に出すと、日本ではお客さんが入ってくれないっていうことなのかな。

アメリカの予告編では、政治的な問題意識だとか、家族との関わり合いとか、機械対人間のせめぎ合いに触れていて、これと同じ予告編は、字幕付きで日本のオフィシャルサイトにも置いてあるんだけど、その予告編をトップに置かないっていうのは意識的だよね、きっと。

ROBOCOP - Official Trailer (2014) [HQ] - YouTube

ポール・バーホーベンを見なおしたくなりました。『スターシップ・トゥルーパーズ』と、『トータル・リコール』と、オリジナルの『ロボコップ』。


*1:言葉選びが中学生っぽいっていうのは置いておいて